[ 番外編 ]

UFOと
宇宙人2




奇妙な出来事〜UFOと宇宙人遭遇事件


前章ではアメリカで起きた代表的なUFO事件を取り上げたが、実は世界中でUFOにまつわる信じがたい事件が多数起こっている。
「信じる信じない」はこのさい脇に置いて、この章ではそうした「奇妙な出来事」に目を通していただくことにしよう。


●体が溶ける!


1946年3月5日、ブラジルはサンパウロ州サンロケ県アラサリグワマという町で、信じがたい事件が起こった。この事件にはUFOが関わっているという確証は何一つないのだが、その後に起きた現象は多数の目撃者がいる。

夜の8時ごろ、ジョアン・プレステス・フィリョという40代の農夫が自分の家に帰ってきた。妻と子供はカーニバルに行っていて留守だった。彼が家の窓を閉めようとしていると、突然空から放たれた光線に打たれ、地面に倒れて気絶してしまった。数分経って意識が戻ったが、彼は恐ろしくなって、町に住む妹の家に駆け込んだ。近所に住む人々も集めて、彼は自分の身に起きた体験を話した。その中にはサンロケ県の会計検査官をしている、信頼出来る人物もいた。話を聞いた人々は、最近この町で、森の上を飛び交う不思議な光の目撃が相次いでいることを思い出した。

フィリョの体にはやけどの跡もなく、恐怖に震えているだけで、特に痛みもないようだった。しかし、しばらくして恐ろしいことが起こった。彼の体を通して内蔵が透けて見え、肉が火であぶられるように骨からしたたり落ち始めた。指先やあごから肉がそげ落ち、骨や歯が露出状態になった。耳や鼻が欠落し、口からゴボゴボと泡を吹いた。奇妙なことに、フィリョはその間、痛みを訴えることはなかった。彼は荷車で病院に運ばれたが、病院にたどり着く前に溶けて死んでしまったという。


●銃撃戦


1955年8月21日の夜中11時ごろ、米ケンタッキー州ホプキンズヴィルの警察署に、セシル・サットンを含む大人7人、子供3人が車で駆け込んできた。彼らは、自宅の敷地に着陸したUFOから現れた「宇宙生物」と「4時間もの間、戦って」たった今逃げてきたところだと真顔で語った。

その日の夜7時ごろ、ケリー近郊のサットンの農場に来ていたビリー・レイ・テイラーが井戸で水をくんでいると、虹色の光の帯が空を横切り、400メートルほど離れた谷に降下するのを目撃した。
しばらくすると裏庭で犬がけたたましく吠え始め、サットンの母親グレニー・ランクフォードが恐ろしい生物の姿を目にした。それは身長1メートルあまり、体に密着した銀色のスーツをまとっていて、丸く巨大な頭に大きな目と耳、長い手にはかぎ爪がついていたという。

怪生物が家に6メートルの距離まで近づいてきたため、サットンとテイラーは22口径のライフルと20口径のショットガンで怪生物を狙撃した。金属製のバケツを撃ったような音と共に生物はひっくり返ったが、むくりと起きあがると、一旦は退却したかに見えた。だが、またすぐにサットンの家の周りに今度は集団で姿を現し、家の窓から侵入しようとした。そのたびに銃撃が繰り返された。使用された弾丸は50発にも及んだが、生物たちの襲来は数時間続き、ついにサットンたちは2台の車で農場を脱出するはめになったという。

サットンたちの訴えによって地元の警察や州警察、新聞記者、予備兵たちが現場に急行した。現場には大量の空の薬莢が落ちていたものの、宇宙生物の物的証拠はついに発見されなかった。


●消えた乗客


1955年11月10日、西サモア諸島の西南西720キロの海上を漂流する、全長20メートルの遺棄船が発見された。37日前に西サモア・アピア港を出港してから行方がわからなくなっていた、機帆船のホイータ号である。同号が遭難した理由もわからなかったが、イギリス人のミラー船長ら乗員と乗客、合わせて25人の姿が見あたらないことが、さらに謎を深める結果となった。生存者はおろか遺体のひとつも発見できなかったのである。

調査の結果、救命ボートがなくなっており、船内の貴重品もなくなっていたことから、乗員が船を放棄して脱出したことが明らかになった。しかし、これは逆に謎の行為であった。ホイータ号は過去に冷凍船として使用され、内張りに大量のコルクが使われていた。ゆえにホイータ号は「絶対に沈まない船」であり、ミラー船長も常々そのことを自慢していたのである。発見当時、船は傾いて浸水していたにもかかわらず、1ヶ月以上も沈まずに漂流していたのがそれを証明している。なぜ乗員乗客の25人は、沈まない船を捨ててボートで脱出せねばならなかったのか?

竜巻説、海底火山爆発説、海賊襲来説などさまざまな憶測を呼んだが、結局、真相は未だ謎に包まれたままである。この事件は世界中に報道され、「太平洋のメアリ・セレステ号事件」と呼ばれた。

それから3年後の1959年1月8日、ニュージーランド北部の海岸に貝殻の付着したガラスビンが漂着した。中には走り書きのある紙切れが入っており、こう書かれていたという。

「奇妙な物体が我々を連れ去ろうとしている。ホイータ号」


●天空の要塞


ブラジルのリオグランデ・ド・スールで精米工場を営むアロルド・ウェステンドルフ(38歳)はアクロバット飛行の第一人者で、その日も小型飛行機「エンブレアEMB‐712」でペロタスの飛行場から飛び立って行った。1996年10月5日朝のことだった。

ラランジャルビーチ上空1700メートルで向きを変え、再びペロタスへ戻っていく最中、彼は驚くべきものを目にすることとなった。

ピラミッドのような形をした大きな飛行物体が、大西洋岸に向かって音もなく飛行していたのである。底の幅は100メートル、高さは50〜60メートルもあろうかという巨大さで、底面が平らで上が8面の角錐形をしていた。ゆっくりと回転しながら時速約100キロで飛ぶその物体に、ウェステンドルフは近づいてじっくりと観察することができた。

彼はペロタスの管制官やCINDACTA(航空防衛交通管制センター)のレーダーセンターに無線で連絡し、彼らに確認を取った。ペロタスの管制官たちは双眼鏡でその飛行物体を確認したが、レーダーセンターからはエンブレア機の半径200キロ以内に飛行物体は確認できないと言われた。ウェステンドルフは飛行物体から40メートルの距離まで接近し、物体の周りを旋回することにした。

しばらくすると物体の頂上部が開き、そこからエンブレア機の3倍はある大きさの円盤が姿を現すと、大西洋に向かってすさまじい速さで飛び去った。さらにその後、飛行物体から赤い光線が放射され、回転の速度が上がり始めた。ウェステンドルフはあわてて脱出の準備にかかったが、物体は突然ものすごいスピードで飛び去っていった。彼の目測によると、その速度は時速1万2000キロに達していたという。


●御殿場のMIB


S・スピルバーグ製作のSFコメディ映画『MIB』(’97)は、UFO事件の直後に現れ、目撃者の口止めや証拠隠滅をはかる黒ずくめの男たち(メン・イン・ブラック)の活躍を描いた映画だが、単なる物語ではなく、実際にMIBを目撃したり脅迫を受けた人々の体験が題材となっている映画なのはご存知だろうか。このMIBが日本にも現れたという証言がある。

(1)

1990年7月9日の早朝5時、静岡県御殿場市にあるゴルフ場管理職員のKさん(38歳)がフェアウェイの見回りに行くと、林の奥に光るものが見えた。近づいていくと、銀色の服を着て銀色のヘルメットをかぶった男たちが5人いて、妙な機械を使って土を採取していた。男たちはKさんを無視したまま黙々と作業を続けていたが、そのうちに林の外から「ウィーン」という振動音とともに、強烈な悪臭が漂ってきた。身の危険を感じたKさんがグリーンに出ると、直径4メートルほどの円盤が空に姿を現し、足柄峠の方角に飛び去って行ったという。Kさんはマネージャーにこのことを報告したが、まったく取り合ってもらえなかった。

翌朝、Kさんは同じ時刻にカメラを持ってフェアウェイに行ってみると、今度はグリーンをはさんだ反対側の林に昨日の銀色の男たちがいた。男たちに気づかれないようにして慎重にシャッターを切ったが、自動的にフラッシュが光ってしまい、男たちはKさんに気がついた。が、銀色の男たちはそのまま無視して作業に戻った。Kさんは7枚写真をとり、飛び去る円盤も1枚写真に収めた。

現像して職場の同僚に見せると「新聞社に持ち込んだら」「写真週刊誌のほうがカネになる」などと言われるが、仕事で忙しいこともあり、後で決めることにした。

一週間後の7月17日は休日で、Kさんは居間で一人新聞を読んでいた。奥さんは犬の散歩、子供も外出中だった。朝の11時ごろインターフォンが鳴り、見てみると背の高い黒いスーツの男が二人立っている。「テレビ局の者ですが」と、二人同時に口を開いた。Kさんは妙な感じがしたが、二人が「UFOのことで」と言い名刺を差し出したので、よくわからないながらも二人を家の中へ招いた。すると二人は土足のまま上がろうとした。注意したKさんもあっけにとられたという。

「ゴールデンタイムの番組に使うので」例の写真を提供してほしいと二人は言い、Kさんはよろこんで提供に応じた。やがて奥さんが犬の散歩から帰ってくると、二人は顔をこわばらせて立ち去って行った。しかし、その後二週間たっても音沙汰がないのでテレビ局に電話を入れてみたところ、名刺にある人物はいたものの、UFO番組の企画などないことがわかり、結局ニセ者と判明したという。

(2)

KさんがUFOを目撃した6日後の7月15日、静岡市の銀行員Tさん(38歳)は仕事場の懇親旅行で、御殿場市の保養施設に来ていた。

朝の7時ごろ、保養所の犬をつれて林の遊歩道を歩いていると、木の陰で全身銀色の男たちが数人、土を採取していた。すると悪臭がただよい始め、身の危険を感じたTさんは保養所に戻った。保養所の食堂では数人の銀行員が「箱根方面へ向かう」UFOを目撃したと言い、大騒ぎになっていた。しかしTさんの目撃談を信じる者はおらず、話はうやむやになった。

それから一週間後の7月23日の夜、Tさん宅に、防衛庁の外郭団体に所属するという黒スーツ姿の二人の男が現れた。名刺を差し出し、御殿場での目撃のことを尋ねてきた。男の一人は「ニセの円盤で世間を騒がせる輩がいる」などと語った。帰り際、男たちは夫人から靴ベラを渡されても使い方がわからず、一人は靴を左右逆に履いて出て行ったという。

その後、Tさんは顧客の一人である自衛隊幹部の人と話をするうち、二人組の男が所属すると語った外郭団体が、実際には存在しないことが明らかになったのだという。

(3)

同年9月8日早朝、地元のタクシー運転手Sさん(47歳)は横浜まで客を運んだ帰り、御殿場市郊外で円盤型の物体が林の中へ降り立つのを目撃した。車をとめて林に行ってみると、銀色の服の男たちが数人いて、やはり土を採取していた。銀色の男たちはSさんに気づいたが、そのまま作業を続けていた。Sさんが落ち着こうとしてタバコに火をつけると、銀色の男たちはあわてて立ち去ってしまった。すると騒音が響いてきて、灰皿型の円盤が空に浮上し、箱根方面へ飛び去った。

Sさんは人に会うごとにこの話をしていたが、3日後の休日の日、Sさん宅に黒スーツ姿の二人組が現れ「CIAから委託を受けた調査機関」の者だと名乗った。名刺を出し、Sさんに円盤の目撃について尋ねた。Sさんがタバコを差し出すと、男の一人は火もつけずに吸おうとした。二人は一ヵ月後に連絡すると言い置いて立ち去ったが、その後いつまでたっても連絡がない。不審に思ったSさんは、名刺に書かれた興信所に電話をかけてみた。該当する人物はいないとの返事だったという。




参考LINK → Wikipedia「メン・イン・ブラック

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《 世界10大怪奇・前編 》


《 世界10大怪奇・後編 》

参考文献
政府ファイルUFO全事件
(ピーター・ブルックスミス/大倉順二/並木書房)
人類はなぜUFOと遭遇するのか
(カーティス・ピーブルズ/皆神龍太郎/ダイヤモンド社)
エイリアン・ベース
(ティモシー・グッド/斎藤隆央/人類文化社)
ボーダーランド
(マイク・ダッシュ/南山宏/角川春樹事務所)
週間エックスゾーン
(デアゴスティーニ・ジャパン)
世界謎物語
(ダニエル・コーエン/岡達子/社会思想社)
世界不思議物語
(N・ブランデル/岡達子ほか/社会思想社)
世界怪奇実話集
(N・ブランデルほか/岡達子ほか/社会思想社)
世界謎の10大事件
(醍醐寺源一郎ほか/学研)
世界はこうしてだまされた
世界はこうしてだまされた2
(高倉克祐/悠飛社)
最新 異星人遭遇事件百科
(郡純/太田出版)
謎の怪事件ファイルX(日本編)
(並木伸一郎/二見文庫)
宇宙人の死体写真集
宇宙人の死体写真集2
大謀略
(中村省三/グリーンアローブックス)
宇宙人とUFOとんでもない話
(皆神龍太郎/日本実業出版社)