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[118] Re3:ヘドウィグ アンド ザ アングリーインチ(元はミュージカル作品)返信 削除
2006/9/11 (月) 18:18:03 はぎ

▼ マチュさん
女性が多いですか?
やっぱり、ドラッグ・クイーンとかは、男性は受け付けない人も多いからでしょうか。
でも、基本的に女性はゲイとか、ドラッグ・クイーンには優しい、という統計何だそうですね。

追加すると、グラムロックの音楽自体を中心にした映画なら、ヘドウィグの舞台と同時期に出来たという「ベルベット・ゴールドマイン」もありますが、ヘドウィグは音楽とストーリーのバランスが良いな、と言うのが両方観ての印象でした。

[119] Re4:ヘドウィグ(バレありまくり)返信 削除
2006/9/12 (火) 05:39:13 kawamura

久しぶりにゆきとぴあに帰ってきました。
最近映画を観れてない映画マニアのkawamuraです。
いやあ、ヘドウィグの話が出ているなんて、俺はうれしい
ですよ。

俺はヘドヘッドをかぶって映画を見ましたよ!(ウソ)
いや、見に行ったのは本当です。サントラも持ってます。
※ヘドヘッドとは、ヘドウィグの髪型をかたちどった
かぶりもののこと(劇場でも配ってた)。
またはそれをかぶったヘドウィグのグルービーたちその
ものの呼称。劇中にも登場。

ヘドウィグは音楽もいいけれど、まずは「愛の普遍性」を
テーマにしているところがすばらしいと思います。
彼の歌の意味は、人と人は、性別が異性だから愛し合うの
ではないということなんですよね(愛の起源)。
プラトンの説では、最初の人間は完全にひとつの生物だった。
それが後に引き裂かれたことで、人はみな失ったかたわれの
自分を探している・・・
それを歌詞に乗せて歌うヘドウィグは、本当に美しい。

はじめは自由になりたくて、ただ雑誌や音楽で伝わる華やか
な「西側の世界」にあこがれて、特別同性愛者でもなかった
彼だが性転換を決意する。
西側の国籍を持つ軍人の男に「結婚すれば東から抜け出せる」
と言いくるめられてのこと。
優しくしてくれたその男が嫌いだったわけではないけれど、
本当の愛に目覚めるのは、その男が彼を捨てて出て行った後。
ヘドウィグは歌詞を書き、歌い、バンドで身を立てる。
その彼の前に現れる美少年。
その若い恋人はヘドウィグが育んで、自らの音楽も教えた。
しかしその恋人はヘドウィグから大切な音楽を盗んで去って
ゆく。しかも彼はヘドウィグの歌を歌い、ヘドウィグ以上に
人気者になってしまう。
ヘドウィグは怒り、苦悩し、ストーカーツアーまでするけど、
やっと見つけ出した自分のかたわれを、憎みきることなんて
出来ないんだなあ。
それは自分を傷つけるのと同じ。
だからむしろすべてを受け容れて、彼は解脱する。
いい話なんですよ。

ちなみにヘドウィグのタイトル曲
「怒りの一インチ」は、こんな歌詞です。
六インチあった俺様のピーが、安い性転換の失敗で一インチ
のこっちまったあああ!ざけんなこらあああ!
(シドニィ・シェルダン小説並みの超訳)
ああた六インチって・・・十八センチですよ・・・

ちなみに意外と気づかないけど、登場するバンドのメンバー
で、コーラスのガンズっぽい?カッコしてるひげ面のやつ、
あれ女の子なんだ。
まあコーラスの声は女の子そのものだけど・・・

いろいろ書いたけれど、単館上映では異例のヒット作品。
この映画はイイと思います。

[120] Re5:ヘドウィグ(バレありまくり)返信 削除
2006/9/12 (火) 23:12:40 マチュ

▼ kawamuraさん
> 久しぶりにゆきとぴあに帰ってきました。
> 最近映画を観れてない映画マニアのkawamuraです。
> いやあ、ヘドウィグの話が出ているなんて、俺はうれしい
> ですよ。


初めまして〜^^なんですが、「お待ちしておりました!!」というのが、個人的感想ですw
 
> はじめは自由になりたくて、ただ雑誌や音楽で伝わる華やか
> な「西側の世界」にあこがれて、特別同性愛者でもなかった
> 彼だが性転換を決意する。


あれ?かなり俺いい加減でしたねw最初から同性愛者かと思ってましたよ。親父が隣で寝てたんでw

> ヘドウィグは怒り、苦悩し、ストーカーツアーまでするけど、
> やっと見つけ出した自分のかたわれを、憎みきることなんて
> 出来ないんだなあ。
> それは自分を傷つけるのと同じ。
> だからむしろすべてを受け容れて、彼は解脱する。
> いい話なんですよ。


そこまで咀嚼して観れたんですね。恐れ入りました。いまいちそこまで迫ってくるものがなかったんですよね、3回観てもw
>
> ちなみにヘドウィグのタイトル曲
> 「怒りの一インチ」は、こんな歌詞です。
> 六インチあった俺様のピーが、安い性転換の失敗で一インチ
> のこっちまったあああ!ざけんなこらあああ!
> (シドニィ・シェルダン小説並みの超訳)
> ああた六インチって・・・十八センチですよ・・・


毎度失笑してました。この曲は俺には受け付けません・・・w

 
> いろいろ書いたけれど、単館上映では異例のヒット作品。
> この映画はイイと思います。


これまた素晴らしい解説でした。俺のは削除したいですね〜ww
ありがとうございました!!

[121] Re6:ヘドウィグ(バレありまくり)返信 削除
2006/9/13 (水) 05:31:28 kawamura

こんばんわ、マチュさん。
ヘドウィグは「己の所在のなさ」を外側にも内側にも
抱えているキャラクターですから。
男でも女でもない「何者でもない者の怒り」をアングリー
インチズは歌い上げているわけですよ。
だから、俺は魂に響きますけどね。共感しますよ。
残った一インチって言うのは、女になりきれず、男でも
ないヘドウィグの苦悩の象徴なんですから。

でもまあ、六インチもあったらもったいないよなあ・・・
それは置いといて。

ヘドウィグが美少年を許して、最後に化粧も何もして
いない素裸の姿になって去ってゆくのは、自らの人生の
清濁すべてを受け容れたという象徴ですよ。
その時ヘドウィグは、失って捜し求めていた己の半身と
向き合い、すべてを肯定して受け容れる。
そして引き裂かれた彼は完全な人間に融合した。
だから装いも化粧もなにも必要なくなったんです。

・・・と、俺は思いますよ。哲学的な表現ですが。
ちなみに前につとむちんがイイ、と紹介していた映画
「アキュムレーターワン」も、落ちは同じテーマに
つながりますね。
こっちもそのうち書きます。

いやあ〜、映画って、本っ当にいいものですね。
(シベリア超特急風)

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