「関西四天王」トリを勤めるはもはやおなじみ、奈良の「女帝」のりん殿である。このところ加速度的に上達しているこの御仁、初期の作品にあったぎこちなさは完全に消え失せ、最近では風格さえただようになってきた。今回の新作はゆきと師父おう吐必至、緑の髪・紫のカニバサミという非常に健康に悪いバッソー像である。唇と瞳が灰色、そして緑と紫という毒々しい配色は見事。そして髪の毛や髪飾りの表面質感、何よりカニバサミのテクスチャーは天下一品、まさにカニ道楽。また前作同様、非常に無理のない安定した構図で描いているのも素晴らしい。額の「ルリハー命」の意気込みとは裏腹な死人の表情といい、見事なまでにブキミさを追求し成功している。うむ、実に天晴れである。今回は文句なく「塾長賞」を進呈。今後の御仁の活躍に期待する。では精進であーる！