毎回一番に名乗りを挙げる「万歳塾特攻隊長」、京都のいけの殿による今年第一作が届けられた。最近は新たな命題を自らに課して新境地開拓に励むいけの殿であるが、今作も「メカキャラ」電をアメコミタッチで描くという斬新な手法を模索している。ハデな配色の割にやはり御仁の上品さがにじみ出ており、アメコミタッチながらクドくなりすぎない画風はこの御仁の持ち味と言えるであろう。その点は天晴れと言える。しかし正確に表現することに気を取られすぎたか、今までの作品と比べるとデッサンや線のぎこちなさが目立ち、作品に勢いが感じられないのは残念である。どうもあまりメカモノは得意としていないようであるが、絵を描いていれば時としてメカも描かねばならない場合がある。そんな時、苦手なモノをどううまく処理するかも「上達」への道なのだ。弱点克服もまたひとつの精進である。
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