お絵描き掲示板作品:No.20

[ またつまらんモノを斬っちまったぜ… ]

塾 長 解 説

記念すべき20作目の今回も、とある銃夢ファンのサイトにて描いたオエビ作品。スモークの中から現れるニューゼクスの映画風ワンシーン。これも「お絵かき万歳」と同じ「しぃ掲示板PaintBBS」の作品。今回は映画のパンフを見ながら「臨場感」をテーマに描いた。作業時間は4時間で、自分としては早く仕上がった感じ。


制作過程解説

今までお絵かき掲示板での作品ほぼ一貫して「リアルさ」をテーマに追求してきたが、写真を模写するようなやり方は、前回のカエルラさんで一応の納得を得てしまった。そこで今回は趣旨を変え「写真っぽい絵」ではなく映画のような臨場感の「作られたワンシーン」を描くことにした。

例えば青とか、「ターミネーター2」なら黄色、「マトリックス」なら緑などという風に、映画には画面全体を覆うカラーフィルターを効果的に使っている。今回は「バイオハザード」の写真を元に、青いトーンの絵を描いてみようと思った。しかし青だけのモノトーンではなく、フルカラーが青いフィルターを通したものでないと意味がない。

ちなみにこの作品も「しぃ掲示板PaintBBS」だが、別にツールにコダワリはない。「しぃ掲示板PaintBBS」にはトーンやマスク、文字やベジェツール、加算や逆加算などお絵かきツールとして一通りの機能があるが、私の場合それらのツールはほとんど使わない。特に最近は水彩と消しペンの2種類ぐらいでほぼ描き切ってしまう。逆にあと一枚レイヤーがあると楽なのだが…。



1・下書きならぬ「下塗り」

ここからもう今回の挑戦の始まりなのだが、毎回「下書き」を描いてからある程度まで色塗りをすすめ、途中で「下書きを消して」色塗りレイヤーとして活用している。これがすでに時間の無駄に思えてきたのである。前回カエルラさんの制作過程で「イキナリ色を塗り始めても大丈夫!ってな人なら、無理に下書きなんかする必要もない」などとのたまってしまったので、今回それを自分で実行してみることにした。塾生も見ている手前、言いっぱなしというわけにもいかない。

つまり下書きのように描いたものを完璧に仕上げて、そのまま消さずに塗りとして活用するわけだ。最初から完成した状態を見定めて、薄い水色で水彩ツールの1ピクセルを使って鉛筆画のように描き進める。



2・下塗り完成

「下書き」ですますならもうとっくに色塗りに入るところだが、さらに丹念に描き進め、水色モノトーンの状態で完全に仕上げる。ここで終われば単なるモノトーン絵だが、今回はここからさらに着色してフルカラーイラストに発展させる。



3・下地の色と陰影

モノトーン絵を上位レイヤーに移し、顔やスーツなどの下色を下位レイヤーに薄ーく塗っていく。この絵はハイコントラストのシーンなので、光が当たるところは真っ白、光と影の境目に少し色が着く程度で。

下色が終わったらモノトーン絵と統合させ、空いた上位レイヤーに陰影の部分を濃い青で塗っていく。下の水色部分を活かしながら影をつけることで立体感が出てくる。頭の方は正確に陰影を描き込み、足の方はスモークでボケる感じなのでわざとムラを作りながら薄めに。



4・スモーク

うっかり忘れていたアゴの金具(笑)と、背後に消えゆくブレードの柄を描き足す。細かい部分の陰影やハイライトなどを入れたら、次は背景となるスモークを描く。この絵のシチュエーションは、夜のスモークの立ちこめる所に強烈なライトの光が当たっているという状況だ。スモークが光を乱反射してゼクスが光に包まれて見えるが、夜の効果として青いトーンが全体にかかっている。



5・仕上げ

背後のスモークをさらに濃い色で仕上げる。薄い青と濃い青だけでなく、ムラサキなども使って色の深みと立体感を出した。最後に顔色がちょっと悪く感じたので、もう少し赤っぽく塗ってみた。しかしあまり意味なかったかも知れない。

終わってから気づいたが、ブレードの柄のディテールが全然ないことと、左肩にぷちゼクスを描き忘れたのが悔やまれる。描いてる最中は完全に忘れていた。南無三。



おまけ:映画風『銃夢LO』

前回に引き続き映画風。字幕とぷちゼクスを描き足してみたが、なんかシリアスな雰囲気が崩れたような感じがするのは気のせいか…。


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