今回から数回にわたり、現在の僕のマンガ製作の実際を解説していこうと思う。
現在の僕の製作行程では、旧来のアナログ的技法とコンピューターを使ったデジタル技法が混在している。現時点でのそれぞれの長所を最大限に生かすバランスで作品を作っているつもりだ。
紙にインクで描くアナログ技法の解説はちまたにたくさんある技法書にゆずるとして、ここでは主にデジタル技法のテクニックに焦点をあてていく。
留意してほしいのは、コンピューター環境の発達により、ここで解説したやり方が将来すっかり変わってしまう可能性があるということ。
また、ここで解説するやり方は僕が独自にあみ出したものなので、他の作家は異なる方法を用いているかもしれないし、絵のスタイルによっては僕の方法がうまくあてはまらない場合もあるかもしれない。
そのへんはわきまえて読んでほしい。
ただ、僕はこの方法で1997年の「水中騎士」から現在の「銃夢LO」まで単行本にして7巻以上を描いているので、実戦テスト済みだという自負はある。
まず、マンガの製作がどんなふうに進むかを見ていこう。
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