管理人日記

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[都市伝説] 「神の手雲」の謎を追う!!

2008/08/22

今年の夏のあまりの暑さに根負けし、ついに念願の『空調ベッド(リンク)』を(「わけあり品」で五千円くらい安く)購入……したら急に涼しくなって過ごしやすくなっちゃいましたね。(^^;
さらに今まで使ってた第5世代iPod 30GBがいっぱいになってしまったので、新しくiPod classic 160GBも買ったんですが(Appleストア限定・整備済み品にてこれまた五千円ほど安く)なんかもっと安いのが出てるし……タイミング悪し。orz

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さてさて、今回の休みもいつものように怪談本に埋もれて過ごしている私ですが、名作実話怪談シリーズ『新耳袋(しんみみぶくろ)』の著者のひとり木原浩勝さんが、『新耳袋』の後継となる新しい実話怪談シリーズ『九十九怪談(つくもかいだん)・第一夜(リンク)』という本を出したのでさっそく読んでみました。

本家『新耳』と同じく、全体的に「恐怖」より「不思議」系の話で占められており、時おりヒヤリとくる怖い話も混じっててなかなか楽しめました。本家と比べるとやや風格が落ちるような気もしないでもないですが、次回の第二夜も楽しみです。


さてこの『九十九怪談』、本家『新耳』と同じく1話数ページの怪談話が99本収録されていますが、本家と同じ仕掛けで1話だけタイトルのない話が入っていて、その話を入れると全100話になる(一晩に全部読めば百物語になる)という構成です。

…で今回の『九十九怪談』に収録されているタイトルのない話ですが、木原さんの友人であるフリーライターのIさんが、ある取材を終えて車で「流山街道」沿いの脇道を走っていて、途中の「三輪野山四号公園予定地」というところで休憩をとっていた時、「三輪野山近隣公園」上空の曇った空に「人の手」のような雲が浮かんでいたので、あわてて携帯のカメラで撮影。その写真を木原さんに送り、木原さんもトークライブで紹介した後、友人に送ったら、3ヶ月ほどしてその写真がチェーンメールになって出回っていると聞かされた、という話です。

「空に手」「チェーンメール」というあたりでピーンと来た方もおられると思いますが、この話の写真とは去年あたりに流行した「神の手雲」と呼ばれる画像付きチェーンメールのことです。メールの内容はたわいのないもので、「沖縄で何年かに一度起こる現象」「このメールを7人の人に送るといいことがある」といったもので、実際に受け取った方もいると思います。不幸のメールの幸せ版であるハッピーメールの一種ですね。

くわしくはこのあたりを参照。
● 神の手雲メールに注意 マルウェア感染の可能性も ITニュース(リンク
● 神の手とは−はてなダイアリー(リンク
● snopes.com: The Hands of God (リンク

メールの内容はともかく、画像の出所については(完全に特定されてはいないものの)かなり調べがついてるのがわかります。要約すると「5年以上前に」「海外で」「(下品な)ジョークサイト向けに作成された合成写真」というところでしょうか。『九十九怪談』の写真が撮られた経緯とはだいぶ異なっています。マルウェア感染については被害はなかったようで、報告を行ったセキュリティソフト会社がこのメールを宣伝に利用したような節がありますね。


さて、なにゆえに私がこんな話をしているかというと、実は私も今年の初めに「神の手雲」メールを受け取っていまして(受け取った当初からチェーンメールだということはわかってましたが、送っていただいた方に悪意がないのは明白だったので、その時は素直に画像を楽しみました)さらに私が「流山街道」付近に住んでいるからです。これは調べないわけにはいきません。(^^

地図で見てみると「三輪野山」は流山市の中心地に近い住宅地で、山というか森だったところを開墾して住宅地にしたところのようです。「三輪野山近隣公園」には行ったことないんですが、これがまた私が車でよく通る道のすぐ近くです。木原さんの友人Iさんが休憩をとったという「四号公園予定地」がネットで調べても特定できなかったのですが、とりあえず付近までは車で5分くらいなので、実際に行ってきました。

三輪野山近隣公園
三輪野山近隣公園(森の中)

snopes.comに掲載されている「神の手雲」写真 (リンク)が大きくてわかりやすいので、これをプリントアウトして近隣公園のまわりを歩いてみたんですが、やはりそんなことしても写真と同じ場所は見つかりませんね(笑)。というかsnopes.comの写真をよく見ると、右側の電柱の根元に見慣れない「×型」の標識と丸い「×印」の標識があります。また道路の手前に停まってるピックアップトラックからしても、なんだかあまり日本の風景に見えないような……海外っぽく感じるのは私だけでしょうか。(^^;

近隣公園入口
三輪野山近隣公園の入口

snopes.comで紹介されている2007年のメールの内容には、「神の手雲」はカーラ・ウィンシップという人が「ロンドン旅行中に撮影した」写真だと書かれているそうです。一方で木原さんは友人のフリーライターIさんが「流山で撮影」したと言い、しかしsnopes.comでは「神の手」がない「オリジナル雲写真」を掲載し「神の手雲」はCG合成写真だとしています。いったい真実はどこに!?

公園内
公園内からそれらしい構図で撮影(全然違うけど)

まあ結局のところフリーライターIさんが撮影したという場所はわからなかったんですが(すみません(^^;)三輪野山付近は緑の多い住宅地なので「ここで撮影したんだ!」と言われればそんな感じもするところです。検証サイトを見ているとどうも木原説は疑わしく感じてしまいますが、「神の手雲」が本当に起きたことなら……と夢想するのも悪くはありませんね。



[映画] [DVD] ダークナイト / 怪談新耳袋・殴り込み(バレ)

2008/08/16

さてさて毎月恒例の映画レビュー+αです。(^^


……とその前に、今月14日でまた一歩棺桶に近づいた私ですが(38歳!)今年も先生から誕生日プレゼントをいただきました。なかなか見事な出来栄えの遮光器土偶レプリカです。(^^

土偶
オッス!おら土偶!

遮光器土偶と言ってもいろいろなタイプのものがあるらしいですが、これは一番有名なもののレプリカです。青森の亀ヶ岡遺跡で出土した、縄文後期のものですね。かの宇宙考古学の大家エーリッヒ・フォン・デニケンが「このデザインは宇宙服を模したものに間違いない。古代に宇宙人が来ていた証拠だ!」と妄言を吐いて世界的に有名になりました。

今回もらったものは高さ約20cmですが、数値より大きく見えますね。色を塗ったものではなくて、粘土をただ焼いただけの本物の素焼きなので重量感があります。ディテールもよくできていてオカルトファンも納得の出来栄えです。ヽ(^。^)ノ


●ダークナイト(リンク

ご存知、2005年に公開された『バットマン・ビギンズ(リンク)』の続編。世間ではやたらに「傑作!」との呼び声が高い本作ですが、はっきり言ってそんなに面白くありません。いいシーンもあるし雰囲気も悪くないし俳優も頑張っているんですが、単純に監督の問題でしょうね、これは。

ストーリーは非常に複雑で説明が面倒なので(^^;、気になる方は各自調べてみてください。

前作『バットマン・ビギンズ』から感じていたことですが、シーンの切り替えが細かすぎるのか全体的に話の流れが悪く、どういう方向に話が向かっているのかがわかりにくく感じます。加えて2時間半もある映画ですが、本筋と関係ない余分なシーンも相当あります。なんか監督が「撮りたいシーン」だけを撮って、後からつなぎあわせたような感覚です。

んで、今回の話のテーマは、劇中ジョーカーがさんざん言ってましたが「モラル」なんですよね。「一般人のモラル」「ヒーローのモラル」「悪人のモラル」……しかもモラルのあり方にそれぞれが悩むというよりは、社会から消えうせたモラルにそれぞれが絶望するような内容です。でも描き方が中途半端で、モラルがあるにせよないにせよドラマに突き抜けるカタルシスがありません。

そもそも、狂ったキャラクターのジョーカーが「モラル」なんて言葉を口にすることに違和感を感じるのですが……あのキャラの頭の中にはモラルの「モ」の字もないように思われるんですけど。逆にバットマンが「俺にはモラルが欠けている!」とか言って悩むんならわかるんですが(笑)。

そのバットマンがだいたい甘い。両親を悪人に殺されたトラウマがバットマンを生み出したならば、一般市民を助けるような(スーパーマンやスパイダーマンのような)当たり前のヒーローにはならないはず。一般市民の窮地なんか無視してひたすら悪人を追いかけ、容赦なくぶち殺すキャラクターじゃなきゃダメだろう……と思っていたんですが、見終わってみるとこの作品は、バットマンが闇のヒーロー「ダークナイト」へと成長する過程の物語だったんですね。

しかしそのこと以外にもいろんなエピソードが含まれていますが、なんかどれもギクシャクしてて消化不良気味に感じます。ジョーカー誕生のエピソードは本人が語りますがただの虐待話だし、狂気のキャラクターというわりにハジケ切れてない。むしろ悲劇の検事ハービー・デントの方がジョーカーのような悪役になるのにふさわしい感じがするのに(あれはあれでトゥー・フェイスというキャラらしいですが)、あっさり死んでしまうのがもったいない。ハービー・デントがバットマンと戦うほうがはるかにわかりやすいし、テーマ的にもいいと思うんですけどねー。

この「バットマン」という話はブルース・ウェイン(バットマン)という「セレブリティ」とジョーカーという「基地外」が戦う話なので、どうも感情移入しにくいんですよね。主役が新聞記者のスーパーマンやサエない学生のスパイダーマンとは違って、ブルース・ウェインのまわりの人間も(警察を除けば)高所得者だし、一般市民から見た視点というのがないのがツライ。かつてのティム・バートン版「バットマン」はバットマンもジョーカーもクリーチャーとして描いていたので、怪物たちが世間を騒がす見せ物小屋的な面白さが良かったんですけどね。

まあ私は原作のアメコミ版『ダークナイト』は読んだことないので好き勝手言いましたが、なんかこのギクシャク感、すっきりしない感覚はまさに「アメコミ感覚」なのかもしれません。アメコミの空気感を忠実に再現するとこんな感じになる……のかなぁと思った次第です。


●怪談新耳袋・殴り込み(リンク

オムニバス怪談ドラマ『怪談・新耳袋』の監督や映画雑誌「映画秘宝」のライターたちが、『新耳袋』で語られた心霊スポットを実際に見て回るというドキュメンタリー。すでに同名の書籍も出ているんですが(リンク)今回はそれの映像版という感じです。

まあ初めから覚悟はしてましたが……別にこのドキュメンタリーは怖くありません。書籍版も別に怖くなくて、要するに『新耳袋』のファンが現地に赴いて大騒ぎしたという話です。やってることは完全に素人レベルで、YouTubeに上がってても別段気に留めることもないような感じですね。(^^;

正直言うと、私も「ゆきとぴあ」の夏の怪奇特集で心霊スポットを回りましたし、わかるんですよ……心霊スポットを回ったところで、心霊現象なんかそうそう起こらないってことは(笑)。

しかしそれでも本作はショボ過ぎです。最初の「狐火」といって大騒ぎしてるのは、どう見てもカメラのフラッシュに反射した雨粒だし、心霊トンネルでは水の落ちる音を足音と勘違いしてるし……特典映像の石壁の間から出てきた「白いもの」って、どう見たって草のつるにしか見えません。

まあ実際に行ってきた人たちが興奮したり怖がったりするのはわかるんですが、それを客観的な映像で、視聴者に一緒になって楽しめと言われても無理な話。この際ヤラセでもなんでもいいから作っちゃえば良かったのに……とかフキンシンなことをつい考えてしまいます。これだったら書籍版の方が、文章で想像をかき立てられる分だけ楽しめましたね。

見てる最中に眠くなってしまった本作ですが、唯一「山の牧場」の映像があるのは良かったですね。ここは心霊現象が起こらなくても怖いですし(笑)。

やはり、たとえ伝説になったような怪談話でもまじめにドキュメントしちゃったりすると、往々にチープになってしまうという実証例と言えるでしょう。しかも素人の肝試しレベルなのが痛い。伝説は伝説として残しておくか、あるいは実証するなら新たな伝説を作るくらいのことをしてもらいたいものです。頼みますよ映画秘宝さん。




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