夏と言えば怪談!と言うことで、毎年恒例の『「超」怖い話』シリーズ最新刊「Θ(シータ)」(リンク)を本日ゲットして先ほど読み終えました…。
1話数ページの「実話怪談」を40本ほどまとめた怪談本です。 この「超怖」シリーズは「新耳袋(しんみみぶくろ)」シリーズと並んで「実話怪談系」の超ロングセラーで、もう15年ぐらい続いてます。過去何度もシリーズ終了の危機を乗り越え、ここまで続いてきているのは、内容は差し置いても賞賛すべき事実です。
…が、最近の「超怖」は面白くない!(T△T)
アマゾンの読者レビューでも一部に指摘がありますが、最近のこの「超怖」シリーズは文章の出来が粗く、ことの顛末が似たような話が多く、またこれでもかと言うほどグロい話が多くなりました。まあ似たような話が多くなっちゃうのは仕方ないと思うんですが、それでも単語フレーズの使い回しや話の展開が過去作と似てしまうと、どうしても先の展開や結末が途中でわかってしまったりします。
最新刊の「Θ(シータ)」でも先や結末が読めてしまった話がかなりあって…いやこれは著者の平山氏や加藤氏が悪いのではなく、長らくこのシリーズのファンとして著者の方々の文体や話の展開の仕方を覚えてしまった私が悪いのかも知れませんが(笑)、しかし先が読めてしまう本ほどつまらないものはないのも事実。
この「超怖」シリーズの特徴は、それこそ「何の理由もない」不思議な体験や怖い話の集大成だったのに、最近は「そこは死体置き場だった」とか「自殺者が出た部屋だった」とか、やたらに怪奇な事が起きる理由を付けている話が多いのも気になります。
また、ただ単に「顔がグチャグチャの霊が出た」とかで話が終わってしまうのも多いです。グチャグチャとかバラバラとかグズグズとか、そんな非日常的なシーンを短い文章で書かれても現実感が遠のくばかりで、ちっとも入り込めません。「グロ」は「気持ち悪い」という属性のものであって「怖い」とは異なるという点を、怪奇ファンとしては声を大にして言いたいですね。
「超怖」シリーズの最近のファンはこの平山氏のグロ路線を喜んでいるようですが、私の目にはもはやマクドナルドのハンバーガーよろしく、安物の怪奇ファーストフードが大量生産されて大量消費されているようにしか見えません。それでもまあ若者の口には合うのかも知れませんけど。
なんだか年寄りのグチになっちゃって自分でもいやなんですが、1年に一冊とか2年に一冊でもいいから、どっしりと腰を落ち着けた、それこそ何年でも読むに耐える「怪談本」を作って欲しいものです。
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