[1143] ポルターガイストの正体(返信 削除
2018/7/6 (金) 10:45:12 子供の頃に

音速の指っていう短編が好きで、それがなかなかコミックされなか
った頃の、不思議といえば不思議なお話。

当時、築40年のアパートに住んでた。
真夜中に「キン、キーン」っていう音がする。金属音に近い音。
木造建築だったから、明らかに木の音じゃないって分かる。


[1144] ポルターガイストの正体(返信 削除
2018/7/6 (金) 11:05:22 子供の頃に

土曜の夜に麻雀やってる時なんか特によく聞こえる。
「ロン、タンヤオ1000点」「キーン(金属音)」
みたいな感じ、どうやら天井裏から聞こえるらしい。
流石に一晩に何回も聞こえるんで、
面子の一人がマリオの真似して天井にパンチしたら、なんか手
ごたえを感じたらしく、ちょっと調べてみようっていう事にな
った。

天井裏で見つけたのは、ちょうど麻雀牌を収納するようなサイ
ズの箱で、中には十円玉数枚と、どこかの国の紙幣数枚とコイ
ンが入っていた。あとは、箱に紙が貼ってあって、凡字みたい
な字で何か書かれているが虫食いでかすれてて読めない。

理系野郎は、熱膨張やら夜間と昼の温度差やら金属の熱伝導が
云々で金属同士がぶつかって云々、とか言うが、そんな説明で
は納得できなかった。

まあ、とにかく天井裏で箱を見つけたわけだ。
そして、

[1145] ポルターガイストの正体(返信 削除
2018/7/13 (金) 22:22:33 子供の頃に

それ以降、俺の部屋で謎の金属音が鳴る事はなかった。

箱の中の紙は、どうやらトラベラーズチェックらしいと、旅な
れた先輩が教えてくれて、つでに外資系の銀行で割ってくれ
た。この先輩は、俺の同郷の先輩で、高校の先輩でバイト先の
先輩で、学校を出た後、海外にぶらりと旅に出て、三年後に戻
ってきたのはいいが、その後、定職に就くでもなく、街占をや
って生計を立てているという人。一体何があったのだろうか?

先輩に礼を言って、じゃあこの金で焼肉でも食いに行きましょ
うかと言うと、件の箱を指差して「お前、この箱どうすん
の?」と言う。「逆に、どうしましょう」と言うと、「俺に売
ってくれ」と言い出した。

[1146] ポルターガイストの正体(返信 削除
2018/7/14 (土) 18:32:09 子供の頃に

UFOとか幽霊とか、巷ではいわゆるオカルトめいた話ってありますよね。
だけど、そういうのって非日常の出来事と言うんでしょうか、例えばテレビの向こう側の話だったり、神話とか昔話みたいな。
何というか、本当に不可思議なことって言うのはもっと日常的な些細なことの繰り返しの上に成り立つような、そんな気がします。

何が言いたいのかと言うと、私は件の箱よりも、この先輩の方がよほど恐ろしい。
以前、この人に「占いってどうやって習ったんですか?」って聞いたことがありました。
本屋とかネットとかに占いのマニュアルみたいな知識ってあるじゃないですか。
てっきりそういうので知識として習得したのかな、と思ったんですよ。

先輩の答えは「勝手に身についた」とのこと。

つまり、海外を放浪していた頃に金欠になって、働こうにもビザがない。
なので繁華街で人相見を始めたらしいのですが、もちろん占いのノウハウなんて知らない。
だから、人間を見たり話を聞いたり、占い以前に人間を見て問いに答える癖がついたとのこと。それも何千人、何万人と言う数のね。
日常的に実践を繰り返していると、「すごいやつ」とか「特別なやつ」も頭の中でカテゴリー分けが自然とできるようになって、自然と何を答えればいいか分かるようになったとのこと。

とある心理学者が、刑務所の受刑者をサンプルに調査したところ、人間の欲求は40種類くらいしかないと言う結論に至ったと言う話がありますが、
物事と言うのは、どんなときでも至極単純で必ず前例があるというのが先輩の占いの核になってるとのこと。


[1147] ポルターガイストの正体(返信 削除
2018/7/14 (土) 18:53:43 子供の頃に

何で、こんなことを話したくなったかと言うと、
何十年ぶりかに某市の商店街でばったり会いましてね。
それで懐かしくなって、結局あの人はどうなるんだろうって思ってね。

今でも某市の商店街で、たそがれ時になると人相見の看板を出している。
そして、彼は一通りアドバイスめいた助言を語り終えると、
いつもきっちり2000円の占料をもらって、それを10枚一まとめにして小箱に収めるんですよ。
あの件の箱にね。

長文で読みづらかったかもしれませんがこんな話でした。

INCM/CMT
Cyclamen v3.84