| この話は2年前に僕が体験した話です。
妙蓮寺を普段から利用している僕は、
アルバイトの帰りが終電になってしまいました。
妙蓮寺はとても閑静な住宅街で、駅のまわり以外で
終電の時間には外を出歩く人もほとんど見かけません。
僕の家を訪れた友人も「怖いほど静かだね」という程です。
とても疲れていた僕は家路を急いでいたのですが
前から人が歩いてくるのが暗い中ぼんやり見えてきました。
左手に包みを持った人が歩いてきているようです。
街灯の明かりで女性、それもごく普通の主婦といった
服装です。
こんな遅い時間に買い物か?と不思議に思ったときには
その女性は次の街灯の下まで近づいていました。
やはり左手にはビニール袋を提げていました。
しかし、その左手にふと目をやると
緑色の液体がたらたらと垂れているのが見えました。
街灯の下でも分かるくらいの緑の液体が
指先から垂れて垂れているのです。
あまりの恐怖に振り返ることさえ出来ず
僕は足早にその場を離れました。
いまだに思い出すだけで背筋が寒くなります。
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