特別寄稿の弐

「全長800mの巨大UFO!?」

木城 ゆきと

自分は今までまったくUFOとは縁がなかったと思っていたが、ボーダーランド(角川書店刊・荒俣宏責任編集のオカルト専門誌。現在は廃刊)'97年2月号59ページに載っている「全長800メートルの巨大UFO!!」とまったく同じようなものを見たことがある。

89年か90年頃、茨城県の土浦から自宅のある下妻へ帰ろうとして、間違ったバスに乗ってしまった。
その車中から、夕暮れの空に金色に光る細い棒状のものが60度くらいの角度で浮いているのを目撃した。
走る車中から見ていたのにまったく微動だにしていないところから、かなり遠くにあるものと思われた。伸ばした手の位置で5センチぐらいの長さだったから、数百メートルから数キロの大きさがあったに違いない。
まわりの乗客はまったく気付いていないようだった。注意を促そうかとも思ったが、元々シャイなのと、夕暮れどきに見知らぬ田舎へと突き進むバスへの不安が先に立って声をかけることができなかった。バスの位置が変わって完全に見えなくなるまで数分間は見えていた。

実際かなりぎょっとする光景だったが、見た感じから言って人工の物体とは思えなかった。
太陽の位置から考えて、飛行機雲のようなものが反射していたのではないかと思う(ただ、ふつう飛行機雲は地面に平行に発生するのに、急角度で存在しているのが妙だが)。
それにあんな大きな人工物体が堂々と浮かんでいたら、近くの百里基地からF-15がスクランブルしてきて大騒ぎになったはずだが、翌日の新聞にはなにも載っていなかった。

ボーダーランドの目撃談にあるように、双眼鏡でのぞいていたら赤と緑の窓の列が見えたのだろうか?双眼鏡は持ち合わせていなかったので確かめることはできなかったが、あのアメリカ人の証言はどうもウソくさいと自分では思っている。