プリーズの四拾

「廃病院にて」

yajiman  さん

初めて投稿します。

僕は霊感が強いという自覚は無いのですが、自称『霊体験』というやつを本日までで5回しております。また、この手の話が大好きですので、ネタにはことかかないです。また投稿します。
手始めにこんな話。僕の経験談ではないのですが…。

数年前の6月のこと。
我が家から車で10分ほどのところに、廃病院(精神病院)があるんです。そこに友人二人が、きもだめしに行きました。

一通り回った二人は、よせば良いのに建物の中に入ることにしました。けっこう大きな建物です。
仮に二人をA君、B君とすると、A君がB君にいいました。

「お前、屋上に行って、俺に手を振れよ。それが見えたら、俺も手を振り返すからさ」

B君は嫌がりましたが、仕方なく屋上に行きました。そしてA君に向かって手を振り、一目散に戻ってきました。そしてお返しとばかりに言いました。

「今度は、Aが行ってこいよ」

言いだしっぺなので断るわけにもいかず、A君は屋上に行きました。とても暗い階段でした。
屋上から見下ろすと、暗闇の向こうになんとかBの姿を確認しました。そして手を振ると、B君が逃げて行くのが見えました。

烈火のごとく怒ったA君は、すぐさま外に出て、車まで逃げ帰ったB君を捕まえました。

「ふざけるな!何で逃げているんだよ!」

「…」

「黙ってないで何とか言え!」

「…お前が屋上から俺に手を振ったとき…」

「…」

「…全部の窓から、白い手が俺に向かって手を振ったんだよ…」