プリーズの参拾五

「都バスの宿直室」

李 九龍  さん

親戚に都バスの運転手をしている人がいるのですが、その人によると、朝一のバスの運転当番になったときは家からでは通えないので、バスセンターの宿直室に泊まるそうなのです。

が、ある宿直所の一番奥にある部屋はだれも泊まらないのだそうです。

親戚の人は入社したてのころ、そうとは知らずその部屋に泊められたそうなのですが、夜中にいろんな格好をした死者の行列が通っていったそうです。

その幽霊たちは、ただ通りすぎるだけでなにもしないということなので、興味のある方は泊まってみては。(どうやらそこはお寺とお墓の間にあるらしく、霊の通り道になっているようです)