プリーズの弐拾弐
「居るはずのない兄」 オサ・Y さん |
小4の頃、家で寝転がってTVを見ていました。
TVの下にはガラス張りのケースがあって、向こうっ側の部屋が良く写って見えてました。 兄貴は返事もせず、そのまま二階へあがっていくのが見えました。 母親の「ご飯やでー」の台詞で夕飯なんですけど、食卓を見ると兄貴の分だけ用意されていませんでした。 「兄ちゃんの分は?」 で、僕はすぐ二階の兄貴の部屋や、そこらを探したんですけどやはり居ませんでした。 そして、一週間後兄貴は……五体満足で帰ってきたんですけど、あの日ガラスに写っていたの間違い無く兄貴でした。 ああいうのを“ドッペルケンガー”っていうんでしょうか? |