プリーズの拾四
「ふすま越しの息づかい」 竹吉 さん |
前に住んでいた場所なのですが、そこは何となく嫌な感じのする場所でした。
ある日のことです。 「ハアー……ハアー……」 最初は遠くの方で聞こえていたような感じだったのが、だんだん近ずいてきました。 「ハアー……ハアー……ハアー……ハアー……」 その息ずかいはどんどん近ずいてきて、しまいにはふすまに顔を付けているような感じになって、今にも部屋に入ってきそうな勢いでした。 後から聞いた話ですが、前に住んでいた人がいて、その人は寝ている時に足元に足だけの幽霊が立っていて、別に危害を加えるという訳ではないのですが、その後一ヶ月近くその様な事が続いた為、すぐに引っ越していったそうです。 自分が寝ていた場所はちょうどその幽霊が立っていた場所でした。 |