「馬借少女」

「馬借少女」

"BARJACK GIRL"
使用ソフト:Corel Painter IX.5、Adobe PhotoShop CS2、Shade9
制作環境:Power MacG5 2GHzデュアル、メモリ6GB、ワコムIntuos3 PTZ-630、MacOS Xタイガー(ver.10.4.9)

銃夢外伝コミックス用カバーイラスト。

「馬借音頭」で登場したコヨミちゃんのカウガール姿が予想外にキュートだったので、こういうモチーフと構図にすることは前の年から決めていた。
(余談だが、コヨミちゃんのカウガール姿は早朝偶然見たテレビの子供番組に、小学生ぐらいの女の子がテンガロンハットをかぶっていたのを目撃したのがきっかけ。)
テンガロンハットは形が複雑で写真資料だけではいまいち形が把握できないので、通販で実物を購入したりして、用意は万端だったはずだった。

コヨミちゃん本体はすんなりとペン入れまでこぎ着けた。
しかしうかつなことに、背景をどうするかちゃんと考えてなかった。
最初はただのへらべったい床にして簡単にすませるつもりだった。
だが帽子のつばがあるために、目の表情をちゃんと見せるためにはカメラの位置をかなり低くとらねばならず、そうすると画面の中に地平線が入ってきてしまい、背景の処理に苦労することになる。
壁にもたれかかっているようにすれば地平線を描く必要はなくなるが、そうすると画面に閉塞感が出てくる。
開放的で明るい絵にしたかったので、壁は描きたくなかった。

結局、背景に苦労するならとことん苦労してやろう、と思い、バージャックの装甲車のフロントに腰掛けている構図にした。

劇中に登場するバージャック装甲車のベースは1950年代初期のビュイックなどのアメ車のスタイルがモデルになっている。
この時代のアメ車はムダに夢にあふれていてとても好きだ。
フロントの微妙な曲線を左右対称に遠近感をもって描くのが大変だったので、ダウンロード販売で3DCGモデルの「1951年型ハドソン・ホーネット」を購入。
Shadeで画角を決めてレンダリングし、下書きのテンプレートとした。
ちなみに50年代のアメ車は意外と小さい。バージャック装甲車はオリジナルの1.5倍から2倍のサイズがある。

コヨミちゃんの肌はPainterのデジタル水彩ブラシを使って塗った。
ハイライトの白い部分は紙(紙というかファイルの地の色)の白さがほぼそのまま残っている。
子供や若い女性の透明感のある肌を塗るには水彩ブラシがよくあう。

衣服はパーツごとにレイヤーに分け、ティントブラシで濃淡をつけてチョークで細部を仕上げた。
カラッと乾いた画面にしたかったので、彩度が高くなりすぎないように注意した。
それでもGパン、カウボーイブーツは彩度が高くなってしまったのでPhotoShopで調整した。

装甲車は塗り混ざるタイプのブラシではかえって描きずらいので、ほとんどぜんぶチョークを使って描いた。
最初、装甲車のボディの塗装の色を何色にするかで悩んだ。
黄色や黒、50年代アメ車のベーシックカラーであるスカイブルーやクリーム色なども考えたが、コヨミちゃんより目立ちすぎても困るし空の色と見分けがつかなくても困る。
結局軍用車っぽいグリーンにした。

設定では、一年前の「バージャックの乱」終結後、激戦を生き抜いたこの装甲車の持ち主は田舎に帰って農民に戻り、装甲車は野ざらしのまま放置されていた。
そして新バージャック結成集会の報を受け、急遽オーバーホールしてはせ参じた…ということになっている。
そのため車体はサビサビでほこりまみれになっている。
こうした表面の描写はカラーのイラストでしかできないので、手間は大変だったが実に楽しんで描いた。
赤錆の色は実際のスクラップの写真から4点ほど色を採取してチョークで描いたらそれらしくなった。
Painterのテクスチャーのサイズを2倍ぐらいにして、テクスチャーがよく出るように荒さを調整したチョークでほこりを塗った。

ここまでで時間をかけすぎてしまったため、空と遠景は素材集のアメリカ中西部の写真を加工したものを使った。

製作日
2007/05/05
分類
銃夢LastOrder
サイズ
47KB